マルコ8章1〜13節

2024年12月15日聖日
説教者 渡部 和弘 牧師

『群衆は食べて満腹した』

1 そのころ、再び大勢の群衆が集まっていた。食べる物がなかったので、イエスは弟子たちを呼んで言われた。 2 「かわいそうに、この群衆はすでに三日間わたしとともにいて、食べる物を持っていないのです。 3 空腹のまま家に帰らせたら、途中で動けなくなります。遠くから来ている人もいます。」 4 弟子たちは答えた。「こんな人里離れたところで、どこからパンを手に入れて、この人たちに十分食べさせることができるでしょう。」 5 すると、イエスはお尋ねになった。「パンはいくつありますか。」弟子たちは「七つあります」と答えた。 6 すると、イエスは群衆に地面に座るように命じられた。それから七つのパンを取り、感謝の祈りをささげてからそれを裂き、配るようにと弟子たちにお与えになった。弟子たちはそれを群衆に配った。 7 また、小魚が少しあったので、それについて神をほめたたえてから、これも配るように言われた。 8 群衆は食べて満腹した。そして余りのパン切れを取り集めると、七つのかごになった。 9 そこには、およそ四千人の人々がいた。それからイエスは彼らを解散させ、 10 すぐに弟子たちとともに舟に乗り、ダルマヌタ地方に行かれた。  11 すると、パリサイ人たちがやって来てイエスと議論を始めた。彼らは天からのしるしを求め、イエスを試みようとしたのである。 12 イエスは、心の中で深くため息をついて、こう言われた。「この時代はなぜ、しるしを求めるのか。まことに、あなたがたに言います。今の時代には、どんなしるしも与えられません。」 13 イエスは彼らから離れ、再び舟に乗って向こう岸へ行かれた。

マルコ7章23~37節

2024年12月8日聖日
説教者 渡部 和弘 牧師

『子犬でもパン屑はいただきます』  

 

24 イエスは立ち上がり、そこからツロの地方へ行かれた。家に入って、だれにも知られたくないと思っておられたが、隠れていることはできなかった。 25 ある女の人が、すぐにイエスのことを聞き、やって来てその足もとにひれ伏した。彼女の幼い娘は、汚れた霊につかれていた。 26 彼女はギリシア人で、シリア・フェニキアの生まれであったが、自分の娘から悪霊を追い出してくださるようイエスに願った。 27 するとイエスは言われた。「まず子どもたちを満腹にさせなければなりません。子どもたちのパンを取り上げて、小犬に投げてやるのは良くないことです。」 28 彼女は答えた。「主よ。食卓の下の小犬でも、子どもたちのパン屑はいただきます。」 29 そこでイエスは言われた。「そこまで言うのなら、家に帰りなさい。悪霊はあなたの娘から出て行きました。」 30 彼女が家に帰ると、その子は床の上に伏していたが、悪霊はすでに出ていた。  31 イエスは再びツロの地方を去り、シドンを経て、デカポリス地方側のガリラヤ湖へ来られた。 32 人々は、耳が聞こえず口のきけない人を連れて来て、彼の上に手を置いてくださいと懇願した。 33 そこで、イエスはその人だけを群衆の中から連れ出し、ご自分の指を彼の両耳に入れ、それから唾を付けてその舌にさわられた。 34 そして天を見上げ、深く息をして、その人に「エパタ」、すなわち「開け」と言われた。 35 すると、すぐに彼の耳が開き、舌のもつれが解け、はっきりと話せるようになった。 36 イエスは、このことをだれにも言ってはならないと人々に命じられた。しかし、彼らは口止めされればされるほど、かえってますます言い広めた。 37 人々は非常に驚いて言った。「この方のなさったことは、みなすばらしい。耳の聞こえない人たちを聞こえるようにし、口のきけない人たちを話せるようにされた。」

マルコ7章1~23節

2024年11月24日聖日
 説教者 渡部 和弘 牧師

『人から出てくるもの、それが人を汚す』

 7  1 さて、パリサイ人たちと、エルサレムから来た何人かの律法学者たちが、イエスのもとに集まった。 2 彼らは、イエスの弟子のうちのある者たちが、汚れた手で、すなわち、洗っていない手でパンを食べているのを見た。 3 パリサイ人をはじめユダヤ人はみな、昔の人たちの言い伝えを堅く守って、手をよく洗わずに食事をすることはなく、 4 市場から戻ったときは、からだをきよめてからでないと食べることをしなかった。ほかにも、杯、水差し、銅器や寝台を洗いきよめることなど、受け継いで堅く守っていることが、たくさんあったのである。 5 パリサイ人たちと律法学者たちはイエスに尋ねた。「なぜ、あなたの弟子たちは、昔の人たちの言い伝えによって歩まず、汚れた手でパンを食べるのですか。」 6 イエスは彼らに言われた。「イザヤは、あなたがた偽善者について見事に預言し、こう書いています。 『この民は口先でわたしを敬うが、 その心はわたしから遠く離れている。 7 彼らがわたしを礼拝しても、むなしい。 人間の命令を、教えとして教えるのだから。』 8 あなたがたは神の戒めを捨てて、人間の言い伝えを堅く守っているのです。」 9 またイエスは言われた。「あなたがたは、自分たちの言い伝えを保つために、見事に神の戒めをないがしろにしています。 10 モーセは、『あなたの父と母を敬え』、また『父や母をののしる者は、必ず殺されなければならない』と言いました。 11 それなのに、あなたがたは、『もし人が、父または母に向かって、私からあなたに差し上げるはずの物は、コルバン(すなわち、ささげ物)です、と言うなら──』と言って、 12 その人が、父または母のために、何もしないようにさせています。 13 このようにしてあなたがたは、自分たちに伝えられた言い伝えによって、神のことばを無にしています。そして、これと同じようなことを、たくさん行っているのです。」  14 イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた。「みな、わたしの言うことを聞いて、悟りなさい。 15 外から入って、人を汚すことのできるものは何もありません。人の中から出て来るものが、人を汚すのです。047」 17 イエスが群衆を離れて家に入られると、弟子たちは、このたとえについて尋ねた。 18 イエスは彼らに言われた。「あなたがたまで、そんなにも物分かりが悪いのですか。分からないのですか。外から人に入って来るどんなものも、人を汚すことはできません。 19 それは人の心には入らず、腹に入り排泄されます。」こうしてイエスは、すべての食物をきよいとされた。 20 イエスはまた言われた。「人から出て来るもの、それが人を汚すのです。 21 内側から、すなわち人の心の中から、悪い考えが出て来ます。淫らな行い、盗み、殺人、 22 姦淫、貪欲、悪行、欺き、好色、ねたみ、ののしり、高慢、愚かさで、 23 これらの悪は、みな内側から出て来て、人を汚すのです。」

マルコ6章45∼56節

2024年11月17日聖日
説教者 渡部 和弘 牧師

『わたしだ、遅れることはない』

45 それからすぐに、イエスは弟子たちを無理やり舟に乗り込ませ、向こう岸のベツサイダに先に行かせて、その間に、ご自分は群衆を解散させておられた。 46 そして彼らに別れを告げると、祈るために山に向かわれた。 47 夕方になったとき、舟は湖の真ん中にあり、イエスだけが陸地におられた。 48 イエスは、弟子たちが向かい風のために漕ぎあぐねているのを見て、039夜明けが近づいたころ、湖の上を歩いて彼らのところへ行かれた。そばを通り過ぎるおつもりであった。 49 しかし、イエスが湖の上を歩いておられるのを見た弟子たちは、幽霊だと思い、叫び声をあげた。 50 みなイエスを見て040おびえてしまったのである。そこで、イエスはすぐに彼らに話しかけ、「しっかりしなさい。わたしだ。恐れることはない」と言われた。 51 そして、彼らのいる舟に乗り込まれると、風はやんだ。弟子たちは心の中で非常に041驚いた。 52 彼らはパンのことを理解せず、042その心が頑なになっていたからである。  53 それから、彼らは湖を渡ってゲネサレの地に着き、舟をつないだ。 54 彼らが舟から上がると、人々はすぐにイエスだと気がついた。 55 そしてその地方の中を走り回り、どこでもイエスがおられると聞いた場所へ、病人を床に載せて運び始めた。 56 村でも町でも里でも、イエスが入って行かれると、人々は病人たちを広場に寝かせ、せめて、衣の房にでもさわらせてやってくださいと懇願した。そして、さわった人たちはみな癒やされた。

マルコ6章14~44節

2024年10月27日聖日

「イエスは彼らを深くあわれみ」   

説教者 渡部 和弘師

「14さて、イエスの名が知れ渡ったので、ヘロデ王の耳にも入った。人々は言っていた。「バプテスマのヨハネが死人の中からよみがえったのだ。だから、奇跡を行う力が彼のうちに働いているのだ。」 15ほかの人々は、「彼はエリヤだ」と言い、さらにほかの人々は、「昔の預言者たちの一人のような預言者だ」と言っていた。 16しかし、ヘロデはこれを聞いて言った。「私が首をはねた、あのヨハネがよみがえったのだ。」   17実は、 033以前このヘロデは、自分がめとった、兄弟ピリポの妻ヘロディアのことで、人を遣わしてヨハネを捕らえ、牢につないでいた。 18これは、ヨハネがヘロデに、「あなたが兄弟の妻を自分のものにするのは、律法にかなっていない」と言い続けたからである。 19ヘロディアはヨハネを恨み、彼を殺したいと思いながら、できずにいた。 20それは、ヨハネが正しい聖なる人だと知っていたヘロデが、彼を恐れて保護し、その教えを聞いて 034非常に当惑しながらも、喜んで耳を傾けていたからである。   21ところが、良い機会が訪れた。ヘロデが自分の誕生日に、重臣や千人隊長、ガリラヤのおもだった人たちを招いて、祝宴を設けたときのことであった。 22 035ヘロディアの娘が入って来て踊りを踊り、ヘロデや列席の人々を喜ばせた。そこで王は少女に、「何でも欲しい物を求めなさい。おまえにあげよう」と言った。 23そして、「おまえが願う物なら、私の国の半分でも与えよう」と 036堅く誓った。 24そこで少女は出て行って、母親に言った。「何を願いましょうか。」すると母親は言った。「バプテスマのヨハネの首を。」 25少女はすぐに、王のところに急いで行って願った。「今すぐに、バプテスマのヨハネの首を盆に載せて、いただきとうございます。」 26王は非常に心を痛めたが、自分が誓ったことであり、列席の人たちの手前もあって、少女の願いを退けたくなかった。 27そこで、すぐに護衛兵を遣わして、ヨハネの首を持って来るように命じた。護衛兵は行って、牢の中でヨハネの首をはね、 28その首を盆に載せて持って来て、少女に渡した。少女はそれを母親に渡した。 29このことを聞いたヨハネの弟子たちは、やって来て遺体を引き取り、墓に納めたのであった。   30さて、使徒たちはイエスのもとに集まり、自分たちがしたこと、教えたことを、残らずイエスに報告した。 31するとイエスは彼らに言われた。「さあ、あなたがただけで、寂しいところへ行って、しばらく休みなさい。」出入りする人が多くて、食事をとる時間さえなかったからである。   32そこで彼らは、自分たちだけで舟に乗り、寂しいところに行った。 33ところが、多くの人々が、彼らが出て行くのを見てそれと気づき、どの町からもそこへ徒歩で駆けつけて、彼らよりも先に着いた。 34イエスは舟から上がって、大勢の群衆をご覧になった。彼らが羊飼いのいない羊の群れのようであったので、イエスは彼らを深くあわれみ、多くのことを教え始められた。 35そのうちに、すでに遅い時刻になったので、弟子たちはイエスのところに来て言った。「ここは人里離れたところで、もう遅い時刻になりました。 36皆を解散させてください。そうすれば、周りの里や村に行って、自分たちで食べる物を買うことができるでしょう。」 37すると、イエスは答えられた。「あなたがたが、あの人たちに食べる物をあげなさい。」弟子たちは言った。「私たちが出かけて行って、二百 037デナリのパンを買い、彼らに食べさせるのですか。」 38イエスは彼らに言われた。「パンはいくつありますか。行って見て来なさい。」彼らは確かめて来て言った。「五つです。それに魚が二匹あります。」 39するとイエスは、皆を組に分けて青草の上に座らせるように、弟子たちに命じられた。 40人々は、百人ずつ、あるいは五十人ずつまとまって座った。 41イエスは五つのパンと二匹の魚を取り、天を見上げて神をほめたたえ、パンを裂き、そして人々に配るように弟子たちにお与えになった。また、二匹の魚も皆に分けられた。 42彼らはみな、食べて満腹した。 43そして、パン切れを十二のかごいっぱいに集め、魚の残りも集めた。 44 038パンを食べたのは、男が五千人であった。

マルコ5章21~43節

2024年10月13日

メッセージ:渡部和弘師

テーマ「起きなさい」

 

「21イエスが再び 028舟で向こう岸に渡られると、大勢の群衆がみもとに集まって来た。イエスは湖のほとりにおられた。 22すると、会堂司の一人でヤイロという人が来て、イエスを見るとその足もとにひれ伏して、 23こう懇願した。「私の小さい娘が死にかけています。娘が救われて生きられるように、どうかおいでになって、娘の上に手を置いてやってください。」 24そこで、イエスはヤイロと一緒に行かれた。すると大勢の群衆がイエスについて来て、イエスに押し迫った。   25そこに、十二年の間、長血をわずらっている女の人がいた。 26彼女は多くの医者からひどい目にあわされて、持っている物をすべて使い果たしたが、何のかいもなく、むしろもっと悪くなっていた。 27彼女はイエスのことを聞き、群衆とともにやって来て、うしろからイエスの衣に触れた。 28「あの方の衣にでも触れれば、私は救われる」と 029思っていたからである。 29すると、すぐに血の源が乾いて、病気が癒やされたことをからだに感じた。 30イエスも、自分のうちから力が出て行ったことにすぐ気がつき、群衆の中で振り向いて言われた。「だれがわたしの衣にさわったのですか。」 31すると弟子たちはイエスに言った。「ご覧のとおり、群衆があなたに押し迫っています。それでも『だれがわたしにさわったのか』とおっしゃるのですか。」 32しかし、イエスは周囲を見回して、だれがさわったのかを知ろうとされた。 33彼女は自分の身に起こったことを知り、恐れおののきながら進み出て、イエスの前にひれ伏し、真実をすべて話した。 34イエスは彼女に言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救ったのです。安心して行きなさい。苦しむことなく、健やかでいなさい。」   35イエスがまだ話しておられるとき、会堂司の家から人々が来て言った。「お嬢さんは亡くなりました。これ以上、先生を煩わすことがあるでしょうか。」 36イエスはその話を 030そばで聞き、会堂司に言われた。「恐れないで、ただ信じていなさい。」 37イエスは、ペテロとヤコブ、ヤコブの兄弟ヨハネのほかは、だれも自分と一緒に行くのをお許しにならなかった。 38彼らは会堂司の家に着いた。イエスは、人々が取り乱して、大声で泣いたりわめいたりしているのを見て、 39中に入って、彼らにこう言われた。「どうして取り乱したり、泣いたりしているのですか。その子は死んだのではありません。眠っているのです。」 40人々はイエスをあざ笑った。しかし、イエスは皆を外に出し、子どもの父と母と、ご自分の供の者たちだけを連れて、その子のいるところに入って行かれた。 41そして、子どもの手を取って言われた。「タリタ、 031クム。」訳すと、「少女よ、あなたに言う。起きなさい」という意味である。 42すると、少女はすぐに起き上がり、歩き始めた。彼女は十二歳であった。それを見るや、人々は口もきけないほどに驚いた。 43イエスは、このことをだれにも知らせないようにと厳しくお命じになり、また、少女に食べ物を与えるように言われた。」

マルコ5章1~20節

2024年9月29日

メッセージ:渡部和弘師

テーマ「イエスが自分にどれほど大きなことをしてくださったか」

5 1 こうして一行は、湖の向こう岸、026ゲラサ人の地に着いた。 2 イエスが舟から上がられるとすぐに、汚れた霊につかれた人が、墓場から出て来てイエスを迎えた。 3 この人は墓場に住みついていて、もはやだれも、鎖を使ってでも、彼を縛っておくことができなかった。 4 彼はたびたび足かせと鎖でつながれたが、鎖を引きちぎり、足かせも砕いてしまい、だれにも彼を押さえることはできなかった。 5 それで、夜も昼も墓場や山で叫び続け、石で自分のからだを傷つけていたのである。 6 彼は遠くからイエスを見つけ、走って来て拝した。 7 そして大声で叫んで言った。「いと高き神の子イエスよ、私とあなたに何の関係があるのですか。神によってお願いします。私を苦しめないでください。」 8 イエスが、「汚れた霊よ、この人から出て行け」と言われたからである。 9 イエスが「おまえの名は何か」とお尋ねになると、彼は「私の名はレギオンです。私たちは大勢ですから」と言った。 10 そして、自分たちをこの地方から追い出さないでください、と懇願した。 11 ところで、そこの山腹では、おびただしい豚の群れが飼われていた。 12 彼らはイエスに懇願して言った。「私たちが豚に入れるように、豚の中に送ってください。」 13 イエスはそれを許された。そこで、汚れた霊どもは出て行って豚に入った。すると、二千匹ほどの豚の群れが崖を下って湖へなだれ込み、その湖でおぼれて死んだ。 14 豚を飼っていた人たちは逃げ出して、町や里でこのことを伝えた。人々は、何が起こったのかを見ようとやって来た。 15 そしてイエスのところに来ると、悪霊につかれていた人、すなわち、レギオンを宿していた人が服を着て、正気に返って座っているのを見て、恐ろしくなった。 16 見ていた人たちは、悪霊につかれていた人に起こったことや豚のことを、人々に詳しく話して聞かせた。 17 すると人々はイエスに、この地方から出て行ってほしいと懇願した。 18 イエスが舟に乗ろうとされると、悪霊につかれていた人がお027供させてほしいとイエスに願った。 19 しかし、イエスはお許しにならず、彼にこう言われた。「あなたの家、あなたの家族のところに帰りなさい。そして、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを知らせなさい。」 20 それで彼は立ち去り、イエスが自分にどれほど大きなことをしてくださったかを、デカポリス地方で言い広め始めた。人々はみな驚いた。

 

マルコ4章26~41節

2024年9月22日

メッセージ:渡部和弘師

テーマ「向こう岸へ渡ろう」

26 またイエスは言われた。「神の国はこのようなものです。人が地に種を蒔くと、 27 夜昼、寝たり起きたりしているうちに種は芽を出して育ちますが、どのようにしてそうなるのか、その人は知りません。 28 地はひとりでに実をならせ、初めに苗、次に穂、次に多くの実が穂にできます。 29 実が熟すと、すぐに鎌を025入れます。収穫の時が来たからです。」 30 またイエスは言われた。「神の国はどのようにたとえたらよいでしょうか。どんなたとえで説明できるでしょうか。 31 それはからし種のようなものです。地に蒔かれるときは、地の上のどんな種よりも小さいのですが、 32 蒔かれると、生長してどんな野菜よりも大きくなり、大きな枝を張って、その陰に空の鳥が巣を作れるほどになります。」 33 イエスは、このような多くのたとえをもって、彼らの聞く力に応じてみことばを話された。 34 たとえを使わずに話されることはなかった。ただ、ご自分の弟子たちには、彼らだけがいるときに、すべてのことを解き明かされた。 35 さてその日、夕方になって、イエスは弟子たちに「向こう岸へ渡ろう」と言われた。 36 そこで弟子たちは群衆を後に残して、イエスを舟に乗せたままお連れした。ほかの舟も一緒に行った。 37 すると、激しい突風が起こって波が舟の中にまで入り、舟は水でいっぱいになった。 38 ところがイエスは、船尾で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生。私たちが死んでも、かまわないのですか」と言った。 39 イエスは起き上がって風を叱りつけ、湖に「黙れ、静まれ」と言われた。すると風はやみ、すっかり凪になった。 40 イエスは彼らに言われた。「どうして怖がるのですか。まだ信仰がないのですか。」 41 彼らは非常に恐れて、互いに言った。「風や湖までが言うことを聞くとは、いったいこの方はどなたなのだろうか。」

 

マルコ4章1~25節

2024年9月15日

メッセージ:渡部和弘師

テーマ「聞く耳があるなら、聞きなさい」

1 イエスは、再び湖のほとりで教え始められた。非常に多くの群衆がみもとに集まったので、イエスは湖で、舟に乗って腰を下ろされた。群衆はみな、湖の近くの陸地にいた。 2 イエスは、多くのことをたとえによって教えられた。その教えの中でこう言われた。 3 「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出かけた。 4 蒔いていると、ある種が道端に落ちた。すると、鳥が来て食べてしまった。 5 また、別の種は土の薄い岩地に落ちた。土が深くなかったのですぐに芽を出したが、 6 日が昇るとしおれ、根づかずに枯れてしまった。 7 また、別の種は茨の中に落ちた。すると、茨が伸びてふさいでしまったので、実を結ばなかった。 8 また、別の種は良い地に落ちた。すると芽生え、育って実を結び、三十倍、六十倍、百倍になった。」 9 そしてイエスは言われた。「聞く耳のある者は聞きなさい。」 10 さて、イエスだけになったとき、イエスの周りにいた人たちが、十二人とともに、これらのたとえのことを尋ねた。 11 そこで、イエスは言われた。「あなたがたには神の国の奥義が与えられていますが、外の人たちには、すべてがたとえで語られるのです。 12 それはこうあるからです。 『彼らは、見るには見るが知ることはなく、 聞くには聞くが悟ることはない。 彼らが立ち返って赦されることのないように。』」 13 そして、彼らにこう言われた。「このたとえが分からないのですか。そんなことで、どうしてすべてのたとえが理解できるでしょうか。 14 種蒔く人は、みことばを蒔くのです。 15 道端に蒔かれたものとは、こういう人たちのことです。みことばが蒔かれて彼らが聞くと、すぐにサタンが来て、彼らに蒔かれたみことばを取り去ります。 16 岩地に蒔かれたものとは、こういう人たちのことです。みことばを聞くと、すぐに喜んで受け入れますが、 17 自分の中に根がなく、しばらく続くだけです。後で、みことばのために困難や迫害が起こると、すぐにつまずいてしまいます。 18 もう一つの、茨の中に蒔かれたものとは、こういう人たちのことです。みことばを聞いたのに、 19 この024世の思い煩いや、富の惑わし、そのほかいろいろな欲望が入り込んでみことばをふさぐので、実を結ぶことができません。 20 良い地に蒔かれたものとは、みことばを聞いて受け入れ、三十倍、六十倍、百倍の実を結ぶ人たちのことです。」 21 イエスはまた彼らに言われた。「明かりを持って来るのは、升の下や寝台の下に置くためでしょうか。燭台の上に置くためではありませんか。 22 隠れているもので、あらわにされないものはなく、秘められたもので、明らかにされないものはありません。 23 聞く耳があるなら、聞きなさい。」 24 また彼らに言われた。「聞いていることに注意しなさい。あなたがたは、自分が量るその秤で自分にも量り与えられ、その上に増し加えられます。 25 持っている人はさらに与えられ、持っていない人は、持っているものまで取り上げられてしまうからです。」

マルコ2章23~28節3章1~6節

2024年7月28日

メッセージ:渡部和弘師

テーマ「安息日は人のために設けられた」

23 ある安息日に、イエスが麦畑を通っておられたときのことである。弟子たちは、道を進みながら穂を摘み始めた。 24 すると、パリサイ人たちがイエスに言った。「ご覧なさい。なぜ彼らは、安息日にしてはならないことをするのですか。」 25 イエスは言われた。「ダビデと供の者たちが食べ物がなくて空腹になったとき、ダビデが何をしたか、読んだことがないのですか。 26 大祭司エブヤタルのころ、どのようにして、ダビデが神の家に入り、祭司以外の人が食べてはならない020臨在のパンを食べて、一緒にいた人たちにも与えたか、読んだことがないのですか。」 27 そして言われた。「安息日は人のために設けられたのです。人が安息日のために造られたのではありません。 28 ですから、人の子は安息日にも主です。」 3 1 イエスは再び会堂に入られた。そこに片手の萎えた人がいた。 2 人々は、イエスがこの人を安息日に治すかどうか、じっと見ていた。イエスを訴えるためであった。 3 イエスは、片手の萎えたその人に言われた。「真ん中に立ちなさい。」 4 それから彼らに言われた。「安息日に律法にかなっているのは、善を行うことですか、それとも悪を行うことですか。いのちを救うことですか、それとも殺すことですか。」彼らは黙っていた。 5 イエスは怒って彼らを見回し、その心の頑なさを嘆き悲しみながら、その人に「手を伸ばしなさい」と言われた。彼が手を伸ばすと、手は元どおりになった。 6 パリサイ人たちは出て行ってすぐに、ヘロデ党の者たちと一緒に、どうやってイエスを殺そうかと相談し始めた。

マルコ1章41~45節:2章1~12節

2024年6月23日

メッセージ:渡部和弘師

テーマ「深くあわれみ、手を伸ばして彼にさわり」

 

41 イエスは深くあわれみ、手を伸ばして彼にさわり、「011わたしの心だ。きよくなれ」と言われた。 42 すると、すぐにツァラアトが消えて、その人はきよくなった。 43 イエスは彼を厳しく戒めて、すぐに立ち去らせた。 44 そのとき彼にこう言われた。「だれにも何も話さないように気をつけなさい。ただ行って、自分を祭司に見せなさい。そして、人々への証しのために、モーセが命じた物をもって、あなたのきよめのささげ物をしなさい。」 45 ところが、彼は出て行ってふれ回り、この出来事を言い広め始めた。そのため、イエスはもはや表立って町に入ることができず、町の外の寂しいところにおられた。しかし、人々はいたるところからイエスのもとにやって来た。 2 1 数日たって、イエスが再びカペナウムに来られると、家におられることが知れ渡った。 2 それで多くの人が集まったため、戸口のところまで隙間もないほどになった。イエスは、この人たちにみことばを話しておられた。 3 すると、人々が一人の012中風の人を、みもとに連れて来た。彼は四人の人に担がれていた。 4 彼らは群衆のためにイエスに近づくことができなかったので、イエスがおられるあたりの屋根をはがし、穴を開けて、中風の人が寝ている寝床をつり降ろした。 5 イエスは彼らの信仰を見て、中風の人に「子よ、あなたの罪は013赦された」と言われた。 6 ところが、律法学者が何人かそこに座っていて、心の中であれこれと考えた。 7 「この人は、なぜこのようなことを言うのか。神を冒瀆している。神おひとりのほかに、だれが罪を赦すことができるだろうか。」 8 彼らが心のうちでこのようにあれこれと考えているのを、イエスはすぐにご自分の霊で見抜いて言われた。「なぜ、あなたがたは心の中でそんなことを考えているのか。 9 中風の人に『あなたの罪は赦された』と言うのと、『起きて、寝床をたたんで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。 10 しかし、人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを、あなたがたが知るために──。」そう言って、中風の人に言われた。 11 「あなたに言う。起きなさい。寝床を担いで、家に帰りなさい。」 12 すると彼は立ち上がり、すぐに寝床を担ぎ、皆の前を出て行った。それで皆は驚き、「こんなことは、いまだかつて見たことがない」と言って神をあがめた。

マルコ1章16~28節

2024年6月9日

テーマ「わたしについて来なさい」

16 イエスはガリラヤ湖のほとりを通り、シモンとシモンの兄弟アンデレが、湖で網を打っているのをご覧になった。彼らは漁師であった。 17 イエスは彼らに言われた。「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」 18 すると、彼らはすぐに網を捨てて、イエスに従った。 19 また少し先に行き、ゼベダイの子ヤコブと、その兄弟ヨハネをご覧になった。彼らは舟の中で網を繕っていた。 20 イエスはすぐに彼らをお呼びになった。すると彼らは、父ゼベダイを雇い人たちとともに舟に残して、イエスの後について行った。 21 それから、一行はカペナウムに入った。イエスはさっそく、安息日に会堂に入って教えられた。 22 人々はその教えに驚いた。イエスが、律法学者たちのようにではなく、権威ある者006として教えられたからである。 23 ちょうどそのとき、汚れた霊につかれた人がその会堂にいて、こう叫んだ。 24 「ナザレの人イエスよ、私たちと何の関係があるのですか。私たちを滅ぼしに来たのですか。私はあなたがどなたなのか知っています。神の聖者です。」 25 イエスは彼を叱って、「黙れ。この人から出て行け」と言われた。 26 すると、汚れた霊はその人を引きつけさせ、大声をあげて、その人から出て行った。 27 人々はみな驚いて、互いに論じ合った。「これは何だ。権威ある新しい教えだ。この方が汚れた霊にお命じになると、彼らは従うのだ。」 28 こうして、イエスの評判はすぐに、ガリラヤ周辺の全域、いたるところに広まった。

マルコ1章14~16節

2024年5月26日

メッセージ:渡部和弘師

テーマ「神に国が近づいた」

14 ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤに行き、神の福音を宣べ伝えて言われた。 15 「時が満ち、神の国が近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。

マルコ1章9~13節

2024年4月28日
メッセージ:渡部和弘師

テーマ「あなたはわたしの愛する子」
9 そのころ、イエスはガリラヤのナザレからやって来て、ヨルダン川でヨハネからバプテスマを受けられた。 10 イエスは、水の中から上がるとすぐに、天が裂けて御霊が鳩のようにご自分に降って来るのをご覧になった。 11 すると天から声がした。「あなたはわたしの愛する子。わたしはあなたを喜ぶ。」 12 それからすぐに、御霊はイエスを荒野に追いやられた。 13 イエスは四十日間荒野にいて、サタンの005試みを受けられた。イエスは野の獣とともにおられ、御使いたちが仕えていた。

 

マルコ1章1~8節

2024年4月21日
メッセージ:渡部和弘師

テーマ「神の子イエス・キリストの福音」

1 神の子、イエス・キリストの福音のはじめ。 2 預言者イザヤの書にこのように書かれている。 「見よ。わたしは、わたしの使いを あなたの前に遣わす。彼はあなたの道を備える。 3 荒野で叫ぶ者の声がする。 『主の道を用意せよ。 主の通られる道をまっすぐにせよ。』」 そのとおりに、 4 バプテスマのヨハネが荒野に現れ、罪の赦しに導く悔い改めのバプテスマを宣べ伝えた。 5 ユダヤ地方の全域とエルサレムの住民はみな、ヨハネのもとにやって来て、自分の罪を告白し、ヨルダン川で彼からバプテスマを受けていた。 6 ヨハネはらくだの毛の衣を着て、腰に革の帯を締め、いなごと野蜜を食べていた。 7 ヨハネはこう宣べ伝えた。「私よりも力のある方が私の後に来られます。私には、かがんでその方の履き物のひもを解く資格もありません。 8 私はあなたがたに水でバプテスマを授けましたが、この方は聖霊によってバプテスマをお授けになります。」